マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ
ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
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[rakuten no=”9784797366006″ shop=”book” kw=”1分間コトラー 顧客を虜にする戦略的マーケティング77の原則 西村克己”]
1分間コトラー
044
偉大なリーダーは、イメージ作りに躍起になどなりません。
P・コトラー
続き
得てして素朴な人柄で周囲を惹きつけ、顧客や社員に暖かい心配りをするのです。
リーダーにカリスマ性は要らない
必要なのはビジョンを描く力
とコトラー博士は言う
他にリーダーの条件として以下の4点をあげている
イエスマンを嫌うこと
物申すマネージャーを好むこと
社員や顧客のために時間を多く割くこと
楽観的に俄然と困難に立ち向かうこと
リーダとは?
リーダーの条件とは?
ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」が有名だ
[rakuten no=”9784478300596″ shop=”book” kw=”プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか ピーター・ファーディナンド・ドラッカー”]
介護福祉業界のリーダーの条件は何か?
- 信頼されている
- 行動力がある
- 誠実である
- コミュニケーション能力が高い
- 決断力がある
- 逃げない
こういったところか?
おそらく介護福祉業界関係なく、これらがリーダーの条件だろう
コトラー博士やドラッカー博士がいうリーダー論は、何も経営者だけのことではない
チームとして動く人間すべてに必要なことだ
チームの中でリーダーはこれらの条件を根幹的な考え方のもと、リーダーシップを発揮することになる
リーダシップはリーダーが行うことなのか?
「あなたがリーダー」といわれて動く人はリーダーになれない
サッカー選手になったら、サッカーをするというやつはいないのと同じだ
リーダーは、リーダシップを仕事としてこなさないといけない
一貫性を持って、真摯に、誠実に仕事に向かい合っていく
それは常に一緒に動くチームのために、ご利用者のために考えなければならない
だからリーダは目指される「あの人」になる
「あの人 みたいなケアができるようになりたい」
「あの人 ならこんな時どう考えるだろう」
僕もそう思われるようになりたいものだ
「1分間コトラー」で紹介されている文章を上げておこう
世の中にダメな社員はあまりいない
いるのは優れたリーダと
無能なリーダーだけである
リーダーの描くビジョンの下に人は集い
何かを成し遂げるために全力を尽くす
045
社内に閉じこもり、外の世界を知ろうとしないマネジメントは、企業に危機をもたらす。
P・コトラー
工場を見て、倉庫を見て、お客様の話を聞けば何をすべきかが見えてくる
日本のモノづくり世界では有名な言葉だ
以前紹介した めがねスーパー 代表取締役社長 星崎尚彦氏 が実践した行動である
[rakuten no=”9784046024466″ shop=”book” kw=”0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方 星崎 尚彦”]
介護福祉業界ではこれが出来ていない方が多い
管理者、相談員、ケアマネ・・・
これらの職種がどれだけ介護の現場に顔を出しているか?
僕は以前施設ケアマネ専従の頃「モニタリング入浴」ということをしていた
ご利用者の身体的なモニタリングと、職員の評価のためのモニタリングを同時に行える
通常業務で行う「入浴」とは違うので不定期
その「モニタリング入浴」入りながら、現場職員から普段のケアの方法や、今後の見通し、家族等の関係性、入浴業務の改善、備品の整備、職員へのOJTなどとても多くの情報が得られた
僕の跡継ぎの専従施設ケアマネもだいぶケアマネの事務作業をこなせるようになってきたので、「モニタリング入浴」も開始するとのことだ
机の上でも情報は集められるし、実際ケアを行わなくても、ご利用者の状態は情報提供あるし、特に現場で直接処遇行わなくても良い
でも、それだと「生の声」が聞こえない
顔を見ることなく、書類上だけで情報法するのはとても危険
居宅のケアマネの場合、わざわざ他所の事業所で介護業務に入る事は無理なので、できないことだが、特養やST、小規模多機能、グループホームなどでは可能だ
当然相談員は自分の事業所の介護現場には、時折顔を出し、ご利用者と職員を見たほうがいいし、「生の声」を聞くことは、事業運営にとって大きなヒントになる
046
マーケターとして採用するのは、人生に熱中できる人間に限るべきだ。
P・コトラー
Appleで開発技術者であったアンディ・ハーツフェルドのことが紹介されている
ライバルに勝とうとか、儲けようという意図ではなく、世界最高のコンピューターを作ろうという熱い思いが結集して生まれたのが、マッキントッシュ=Macという世界を変えるコンピューターだったと言っている
熱い思いというのは周りを動かす
報酬のために動くと、仕事ができなくなってしまう
アメリカの大学で成績が上がればお小遣いを上げるという実験が行われた
成果に対して報酬を支払う手法
これは短期的に大いに効果が出たそうだが、報酬を下げたり無くしたとたん、全く勉強しなくなり、勉強しているフリをするようになるそうだ
馬の鼻先ににんじんをぶら下げる
馬の鼻面に人参をぶら下げて、馬の食欲をそそる、すると人参好きの馬は人参に食いつこうとして前進する、人参は馬に括りつけられているため馬と共に移動する、馬はなんとか食いつこうとして全力で走る
目の前のにんじん作戦
良く使われる手法だ
人は思いとおりに動かない
何度もこのことは書いてきたが、人が動く時は何らかの動機がある
その動機付けとして「にんじん」は利用される
「にんじん」は人によって様々で、アメリカの大学で行われた実験ではお小遣い
働くことで得られる給料も「にんじん」だ
動機付けに関しては、そのうち書くとして介護福祉業界で考えてみよう
介護福祉業界におけるマーケーターは、ご利用者に関わるすべての職員だ
我々が取り扱う商品を「最後の人生」としよう
そうすれば、ご利用者に関わるすべての職員が、それぞれの立場で、それぞれの専門分野でニーズに応えているから、すべての職員がマーケーターであることが理解できる
最初の「にんじん」はもちろん給与だろう
しかし、この仕事を続けていくと内面的な部分で変化が生じる
我々の仕事が社会貢献に直結しており「誰かの役に立っている」事が実感しやすいからだと思う
そして「にんじん」は色々な姿に変え、われわれの心を動かしていく
その「にんじん」では何も買えないが、その「にんじん」はお金で買えない
そんな時、心は熱くなっている
心が熱くなっているから、周りも動き出してくれるし、ご利用者の人生も動き出す
あなたの「にんじん」はなんですか?
まとめ
いかがだっただろうか?
やはりマーケティングというのは、人を相手にするもの
AIではできないものだ
マーケティングやマネジメント、コンサルタントというものを通して介護福祉業界を眺めてみると、まだまだ向上していけるヒントが多く見えてくる
この記事を入り口に、多くの介護福祉業界で働く方々がマーケティングにふれることで、成長すると共に「自己実現」を目指して欲しい
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