マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ
ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
*「1分間コトラー」は下記より購入できます
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1分間コトラー
068
プランは簡潔で要領を得たものでなければならない。
P・コトラー
実は今日、「伝わる研修資料の作成」というミニセミナーを自分の事業所で行った www
内容は似た感じかな?
プラン=計画
わかりやすくなければ、なかなか実行できない
例えばマーケティングプランで知りたいのは
・目標
・戦略
・予算
・効果
以上の4点に絞られる
人はそもそも長い文章は読みたくないし、大量の数字が並んだデータや、論文並みの専門用語が並んだ資料は見たくない
せっかく作った資料も読んでもらわなければ意味が無いということ
プランは「わかりやすく」「シンプル」に!
介護福祉業界でおなじみのケアプラン
ケアプランは、ご利用者がどのような課題を抱え、その課題をどのように解決していくか、そのためにはどのような手段が、どれ位の期間必要で、幾らかかるか、などが載っている
考えなくてはならないのは、このプランは「誰のものか」ということ
ご利用者に説明することを度外視したプランを見かけることがある
専門用語が並んでいるだけでなく、句読点や段落わけも機能していない、同じ表現を繰り返すなど、日本語としても「ダメだこりゃ・・・」ってプランが多い
たぶん、いきなり介護ソフトを開き、唐突にケアプラン入力画面に向かって、キーボードに鬼の連打しているのだろう
僕はよくA4用紙やノートにざっと必要な情報を書き込み、視覚的に頭を整理してから介護ソフトに入力していた
*最近、エコマップはケアマネの研修で当たり前に使用されている
そこで1つ、紹介したい手法がある
まだまだ僕も上手く活用できている訳ではないので詳細は語れないが、1冊の本がある
梅光学院大学 准教授 吉島豊録先生が2009年に発表した手法だ「アローチャート」
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いろいろな手法があるが、目的はひとつ
ご利用者のために、シンプルなプランを作成する
ケアマネのみなさん、しっかり頭を整理して、わかりやすいプラン作ってますか?
069
計画も、実行に移さない限り1ドルたりとも利益を生まない。
P・コトラー
マーケティングのプロセスは6つ
・分析
・目的
・戦略
・戦術
・予算
・コントロール
これらを駆使しながら計画を練っていくわけだが、計画策定に時間を使いすぎてはいけないとコトラー博士は言っている
いくら完璧に計画を策定しても、途中で修正したり、微調整したりはよくあること
マーケティングは計画を作ることではなく、実際に活動すること
表題そのままだ
計画作成で満足してしまっても、一円にもならない
介護福祉業界だとどうか?
このカテゴリーで何度も書いているが、人材育成は介護福祉事業所にとって今後を左右するほど重大なテーマ
それは人手不足解消の為に、今いる人事を大切に育てることが離職を防ぎ、また、就職希望者へ伝わることで人が集まる事業所作りに人材育成は欠かせない
特にここ最近は人材育成をテーマにした研修がたくさんある
キャリアパスフレームをどう作るか?
介護職、医療職、マネジメント職、事務職、厨房職など色々な職種で作り上げているのが介護福祉事業所なので、その担当者の専門分野外だと、どう評価していいかわからないことが多い
研修会やセミナーは大賑わいだ
ただ、どうだろう?
計画作成に力を入れるあまり、「計画を立てる」だけで満足していないだろうか?
ま、僕も人のことは言えないが、年間通していろいろな分野の施設内外の研修を企画し、実際に講師になったり、外部を調整したり、ウチに職員に講師をさせたりしているが、全然計画通りにいかない www
頻回に内容や担当者を変更したり、日時を調整したり、延期・中止の判断、追加の判断など苦慮している
しかし、やらないことには何も始まらない
でも、やりっぱなしだと効果は薄い
試行錯誤しながら、やっていくしかない
実行を伴わないビジョンは白日夢
ビジョンを伴わない実行は悪夢
皆さんの事業所はどうですか?
070
バランスシートは真実を伝えていない。
P・コトラー
バランスシート
B/Sとも表記されるが、貸借対照表 のこと
簡単に言うと資産や負債などが左右に分かれて記載され、その企業の経営状況のバランスを見るものだ
しかしそこには記載されない資産がある
企業の理念、顧客の信頼、社員の智恵、サービスの質
これらも企業にとっては大切な財産だ
マーケティングを行う上で、そこを見落とすとその企業の将来性がわからなくなる場合がある
特に介護福祉業界はその傾向が強い
介護福祉業界における商品は、そのほとんどが公的制度や保険制度を活用しているので、その価値は公定価格で示される
我々ではコントロールできない
では介護福祉業界の差別化の価値はどこで表現するか?
「ひと」しかないだろう
我々の職業は対人援助
人様相手なのだから当然だ
だから事業所は職員個人、個人をしっかり見なければならない
最低の介護を行っても
最高の介護を行っても
報酬は同じ
こんな考えの事業所は稀だろう?
本当にそうか?
確かに、そのまんまあほなことを考えている事業所は皆無(そう信じたい)だろうが、これまでの介護福祉事業所の実態はどうだろう
これまで人材育成をおろそかにしていた理由は何だ?
中間管理職が育たない環境はなぜだ?
人材不足の一因
まだ気づいていない事業所も存在しているだろうが、すでに動いている事業所も多く存在する
もう一度、自分の事業所を見つめなおしてみよう
まだ気づいていない、大きなパワーがすでにそこにあるかもしれない
そもそも介護福祉を仕事として選んだ人たちだ
きっとみつかる
それはこの記事を読んでいる貴方かもしれない
僕はちゃうかな? www
まとめ
いかがだっただろうか?
介護福祉業界で取り入れられている手法や、制度設計はマーケティングの手法となんら変わらない
介護職員も、ケアマネや相談員、ナース、訓練員、栄養士に厨房職員、事務職に至るまで、そのすべては介護を必要としているご利用者のために存在している
全員がマーケティングを行う一員だ
マーケティングというものをざっくりと知るだけでも、今の仕事の生産性は上がる
この記事がそのきっかけになりますように
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