マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ
ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
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1分間コトラー
074
金銭的結果は二義的なものなのだ。ブランドは金銭的目標を最大の関心にしてはいけない。
P・コトラー
ここでコトラー博士の提唱するマーケティング4.0をおさらいしたい
正確には 2016年に博士が提唱した概念だ
図の通り、マーケティングは時代と供に変遷している
このブログでは、マーケティング3.0までを中心に記事を書いているが、 現在はマーケティング4.0の時代である
企業の活動を通して、自己実現を達成する
簡単に言うと
マーケティング3.0が「社会のために」
マーケティング4.0が「ひとのために]
企業が目標とすべきは金銭的利益ではなく、社会の一員として何を行い、それは誰のためなのかを明確にしていくことで、顧客はその企業のファンとなり、ブランド力が上がる
それが結果的に金銭的利益に結びつく
介護福祉の業界は、その存在当初からマーケティング4.0を標榜していたといえよう
しかし介護保険制度が発足し、いつの間にか介護福祉事業所も利潤を追い求めるようになり、本来の目的である「社会の一員として高齢者のために」という概念を忘れてはいないか?
いまいちど、自事業所の立ち位置を見直す必要があるだろう
075
企業の社会的コーズへの取り組みは、潜在顧客、投資家、ビジネス上の関係者にとって好意的に映る。
P・コトラー
社会的コーズ(大義、課題、解決)
社会貢献への取り組みだ
21世紀は、様々な環境問題が取りざたされている
環境問題への取り組みを表明している企業も多い
代表的な企業がアウトドアブランドのPatagonia
Patagonia のミッション=使命として
ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する
と表明している
学校や病院などへの寄付などは行わず、慈善事業のすべてを環境保護活動へ向けている
サイトの企業の責任というところを見ると「環境的および社会的責任」と掲げている
2000年ごろから Patagoniaの企業理念に共感 する人が増え、結果として環境保護の問題を取り扱うアウトドアブランドのイメージが定着、環境保護の講演会などではPatagoniaの服を着ている人が多く、それがそのままPatagoniaのブランドとして着る者の ステータス になっている
正にコトラー博士が言っていることを具現化している企業といえよう
介護福祉業界の事業所も、社会貢献活動を行っているところは多い
平成28年に社会福祉法の一部が改正され、社会福祉法人はその資産を必要な分を除いて、社会に再投下配分しなければならないとされた
「社会福祉充実計画」 厚生労働省
他に僕も毎年関わっている、RUN伴、認知症サポーター養成講座 なども社会貢献の一部だ
特にこの2つのイベントは認知症に特化されており、そのイメージカラーはオレンジ色
これは国が定めた オレンジプラン をそのまま踏襲し、世間一般へのアピールになる
もちろん事業所独自に色々な取り組みがあり、それはまさにその 事業所のミッション=使命 として取り組んでいる
そしてそれは、 地域の高齢者のために行われている ことが明確だ
あなたの事業所のミッションは何ですか?
076
ブランドの中には、物語を連想させるものがある。
P・コトラー
1分間コトラーの本の中で、Appleのスティーブ・ジョブズが
「ビジネス市場最もすばらしいストーリーテラーのひとり」
として紹介されている
日本にも多くのストーリーテラ-がいる
松下幸之助、稲盛和夫、本田宗一郎、名だたる起業家達だ
起業家だけではない
エジソンや野口英世など世界の偉人たちも同様に語り継がれる成功の物語の主人公だ
最初から成功していたわけではなく、 成功と挫折を繰り返し 、自らの手で成功を掴み取っている
9回裏逆転満塁ホームラン
日本人が一番好きなシュチエーションとも言えよう
ではなぜ?名だたる起業家たちは物語を語り継がれているのだろうか?
それは誰しも成功したいから
成功者と呼ばれる人たちも、その成功は多くの失敗と挫折の上で成り立っていることが、多くの人々の 共感 を生む
流行る映画も同じ
⇒主人公の人となりを紹介
⇒ピンチになる
⇒ピンチをチャンスへ変える
⇒結果、成功する
自分も努力すれば、いつか成功することができるかもしれない
介護福祉業界でも、よく自分の 体験談 を通した事例を話す講師が多い
それは実際に 現場で起きている ことで、聴いている側が 共感 しやすい
初めて介護福祉の仕事に就いたとき、誰もが完璧に仕事をこなせるはずも無く、多くの失敗を経験し、その経験値を仕事に活かす事は、誰でもできる
何らかの失敗が、挫折 につながる
それと 同時 に
何らかの失敗が、成功 につながる
自事業所の多くの職員がこのような体験をしたとき、その事業所も多くの 失敗から成功へ 向かう
それがいつしか自事業所のブランドとなり、人が集まる
あなたの事業所は、どんな物語を語り継いでいますか?
077 ~最終~
経営トップが自社の価値観、ビジョン、ターゲット顧客を明確にするまで、採用活動は行うべきではない。
P・コトラー
これが最終章
これまでマーケティングの概念を中心に書いてきた
そしてそれを介護福祉業界に転用できるよう、読み替えてみた
最後は、人を雇うな!と来た www
これまでこのブログを読んできた方は察しがつくだろう
社員一人ひとりが、その企業の具現者であるべく、企業は社員を大切にし、顧客へ最高の価値ある体験を届けることが、マーケティングの最大の効用だ
GAFA という言葉を聞いたことがあるだろう
世界的IT企業の Google 、Apple 、facebook 、Amazon の頭文字をとって、GAFA(ガーファ)と呼ばれている
時代はマーケティング4.0
この時代を代表する企業のミッションを紹介しよう
介護保険 第1条
この法律は、加齢に伴って生ずる
心身の変化に起因する疾病等により
要介護状態となり、
入浴、排泄、食事等の介護、機能訓練並びに
看護及び療養上の管理その他の医療を要する者
等について、
これらの者が尊厳を保持し、
その有する能力に応じて
自立した日常生活を営むことができるよう、
必要な保健医療サービス及び
福祉サービスに係る給付を行うため、
国民の共同連帯の理念に基づき
介護保険制度を設け、
その行う保険給付等に関して
必要な事項を定め、もって
国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る
ことを目的とする。
これが我々介護事業所のビジョンだ
まとめ
いかがだっただろうか?
「1分間コトラー」という本の僕の感想文的な記事
数字を並べ、企業利益を優先した考えと勘違いし、敬遠している介護福祉業界の方も多いだろう
しかし マーケティングの概念 は、ひと を相手に考え出され、哲学的側面もある ので、介護福祉業界に大いに役立つ 考え方 だ
僕はマーケティングを専門的に学んだわけではないが、介護系の色々な研修を受けているうちにマーケティングに 興味 を持った
多くの介護福祉業界の方にとってこの21の記事、77のコトラー博士の言葉が、マーケティングに興味をもつ きっかけ になることを願って「1分間コトラー」の完結としたい
あなたのビジョンは何ですか?
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