マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ
ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
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[rakuten no=”9784797366006″ shop=”book” kw=”1分間コトラー 顧客を虜にする戦略的マーケティング77の原則 西村克己”]
1分間コトラー
062
満足した顧客はよかったことを3人に話すが、不満のある顧客は11人に不平を漏らす。
P・コトラー
クチコミの話、悪事千里を走る だ
ネット最盛期のこの時代、SNSなどに企業の悪口などを書かれたら、命取りになる
人は何らかの商品などを購入するとき、かなり高い割合でクチコミを信じる
企業が打つ広告と同等、若しくはそれ以上の影響力がある
そしてそのクチコミをもたらすのは、友人であり、家族であり、SNSであるわけだ
そのクチコミは、良いものも、悪いものも、色々あるが、悪いクチコミはSNSで爆発的に拡散していく傾向にある
バイトテロ の動画が拡散し、閉店に追い込まれたり、全館消毒などの余計なコストがかかったり、リスクでしかない
大手企業なら、そのコストは莫大だ
では何故悪いクチコミが、良いクチコミより広まるのか?
それは人間の欲求が関係しており、このブログで度々紹介している「マズローの5段階欲求説」で説明してみよう
マズローは人の欲求には大きく5段階あるとしている
クチコミしたくなる理由は何だろう?
「自分は他人より情報を持っている」
「自分のもっている情報は価値がある」
このような心理が働いているのだが、上の表でいえば2番目に高い欲求である「承認欲求」がその心理だ
なので良い方向にクチコミが流れるのは
「みんなに勧めたい、そして褒められたい」
と言う心理で、悪いクチコミは
「自分が嫌なものはみんな嫌、だって自分はみんなと同じレベルだから」
承認欲求+同調圧力になる
人は自分の知識をひけらかし、みんなに鼻高々な態度をとるのは好ましくない態度と判っている
また、自分の知識が間違っていたり、否定される恐怖感がある
なので、良いクチコミは、悪いクチコミより少なめな発信となるのだろう
良いクチコミを発信するのは、その商品に対し、価値を感じ、良い体験をしたことで、同じようにみんなにも良い体験をして欲しいと言う、良い意味の同調的な心理があると想像できる
悪いクチコミはそのまま反対の行動
価値があると体験した商品に対する嫌悪感が悪いクチコミになりやすい
その体験はカスタマーサービスの態度が悪かった、店員の接客が悪かった、宣伝と実物の価値が違う、そもそも商品自体に価値がないなど、より具体的だ
そのとき人は、自分が人と違うわけがない、自分が嫌悪感を持つのだから、みんなも同じ体験をすれば、同じ嫌悪感を抱くはず、といった心理が働く
小さなクレームを見過ごすと、あっという間にそのクチコミは広まる
クレームこそが、良いクチコミを生み出すきっかけになる
介護福祉業界にも大いに関係がある
例えば自事業所をケアマネに紹介し、ご利用者にとっていかに価値あるサービスを提供しているか力説する
サービスの紹介を受けたケアマネは、このサービスは価値があると、ご利用者へ紹介する
しかし、実態はどこにでもあるサービスだったら?
先ずは顧客からケアマネにクレームがもたらされる
そして、お隣近所や友人たちにも悪評の拡散が始まる
そしてそのクレームを受けた、ケアマネ、お隣近所、友人たちが実際サービスを体験しているわけではないのに、その後利用者と同じ嫌悪感を持つ
すると今度は、その嫌悪感を持った人たちは、そのサービスを使わないよう、より多くのクチコミの拡散が始まる
終わりの始まり
そもそも介護のサービスは、現場で行われているもの
自社のサービスの内容、質などを精査せず、机上の空論で営業するとこんな手痛い状況になってしまう
介護福祉はケアの質の体験が肝心要
外に営業するまえに、しっかり自事業所を分析し、価値を高めないといけない
しっかり自事業所の能力を分析していますか?
063
企業の目的は、顧客を創造することではなく、ファンを創造することである。
P・コトラー
062でクチコミ対策は、サービスの体験による価値観が大切だと書いた
ではここで言う、「顧客」と「ファン」は何が違うのか?
顧客はそのままサービスを利用する人たち
ファンは応援する人たち
判りやすく言えば、高級ブランドのファンたち
1つ何百万、何千万もする商品を販売しているブランドには多くのファンがいる
男なら1度はフェラーリーやポルシェに憧れる
購入できるのは一部の人たち、自分にはとても手が届かない高嶺の花
情勢のファッションブランドも多くのファンがいる
シャネル、グッチ、フェンディ、ヴィトン・・・
上げればキリがないが、多くの女性が憧れている
一つひとつが高額なため、数はそれほど出回らないが、多くの高級ブランドは多額の利益を上げ、老舗として市場の中でしっかりとしたポジションを確立している
それを支えているのは、顧客のみではなく、多くのファンたちだ
憧れることで、いつかはその商品を手に入れたい
晴れて手に入れれば、そのレビューを嬉々としてSNSに投稿していく
するとその体験に触れた多くの人が、また、そのブランドに憧れを抱く
そう、最高のクチコミ戦略だ
介護福祉業界ではなかなかこの戦略に着目しているところは少ないと感じる
自分の事業所も含めてなのだが・・・
介護福祉ではその商品が職員によるケアサービスの提供であるため、サービスを利用するご利用者のみに着目しがち
また、意識として自事業所を広く宣伝していくと「福祉なのに金儲け主義」とレッテル貼られることへの恐怖感から大きなブレーキになっているのだろう
まだまだ介護福祉業界は産業としての認識が低く、「介護は自宅で家族がするもの」という考えを払拭できていない
これからの介護福祉業界は、自らの提供するサービスの価値を広く世間に認知してもらう意識が必要だ
実際の介護体験や、自事業所での食事体験、子どもたちへの職場体験など、介護福祉サービスの価値ある体験を、サービスを必要としている顧客以外へアプローチしていく
「あぁ、介護福祉の仕事って素敵だな」
この体験を提供すること多くのファンが獲得していけるだろう
僕も、地域へのアプローチする機会を、増やさなければならない
サービスの質の向上と両輪だ
064
顧客に関する情報に頼るのではなく、顧客から得られた情報に頼る。
P・コトラー
どのような顧客がその市場にいるのか
その市場は将来性があるのか
とても大切な情報だ
しかし、これらは大切な情報のひとつに過ぎない
そもそも顧客は何を、いつ、どこで、だれから、どのようにその商品を必要とするのか
そしてそれはなぜなのか
5W1H
この情報はどのように獲得するのか?
一番簡単な方法は、顧客に直接聞くこと
顧客と直接対話する機会を持ち、その声に耳を傾ける
企業目線の商品定義ではなく、顧客目線の商品定義こそが価値ある体験につながる
介護福祉業界もこの手法は有効だ
新規登録利用者の獲得するのに、上記の5W1Hをまるっきり無視すると、全く利用希望は増えない
多くの方の状況から、適切サービスを、適切な時期に、適切な事業所から、適切な方法で提供しなければならない
そしてこれらの情報を活かすのは、ケアマネがもっている情報
そう、ケアプランの第1表にその情報はある
本人及び家族の生活の意向、これがサービスを利用する「なぜ」にあたる
すでにマーケーターとしてケアマネは多くの情報収集を行っている
その情報を活かすも殺すも事業所しだい
みなさん、ケアマネにインタビューしてますか?
そしてご利用者さんにもインタビューした内容と分析してますか?
まとめ
いかがだっただろうか?
今日のメインテーマは宣伝効果
宣伝するために必要なのは、何を宣伝するのか?そして最強の宣伝手段、クチコミ大切さ
簡単に書いたので理解しやすいと思う
みなさんもこの記事を入り口に、素敵なクチコミを増やし、多くのファンを獲得するきっかけにして欲しい
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