マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ
ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
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[rakuten no=”9784797366006″ shop=”book” kw=”1分間コトラー 顧客を虜にする戦略的マーケティング77の原則 西村克己”]
1分間コトラー
065
すぐれた業績にすぐれたPRが加われば、企業広告よりもはるかに高い効果を上げられる。
P・コトラー
ちょっとわかりにくい文章だが、クチコミが重要だとコトラー博士は言っている
広告とPRに違いだが、広告はその企業自身が行うもので、新聞広告や折込チラシ、CMなどがそれだ
ではPRとは何か?
他者に依存するものであることだ
TV番組に取り上げられたり、僕が書いてるこのブログのように書評やレビューなどがそれに当たる
メディアを通じたクチコミともいえるだろう
メディアを使うので、クチコミに触れる機会が圧倒的にふえる
一昔前のTV番組などでヨーグルトが健康に良いと取り上げられると、翌日にはスーパーの陳列棚から姿を消すほど売れる現象などが良い例だ
TV番組を家族で観た視聴者が、翌日職場や学校、サークルなどで話題にすると、それを聞いた人が家に帰ってまた同じように家族などに話、さらにその翌日にはまた多くの人へ伝わっていく
なのでPR活動に、力を入れるほうが広告に力を注ぐより効果的、というわけだ
ただし、PRは他者に依存する度合いが大きく、その内容への干渉もコントロールが難しい
そのため、企業は自社の製品や自社ブランドに力を注ぐことになる
すぐれた業績は、製品やサービスを通して得られた価値ある体験が行動を引き起こすものだし、それがそのままPRにつながれば、正に一石二鳥だ
介護福祉のサービスも同様だ
自社のサービスの状況を省みず、広告宣伝として営業を行っても、サービスの質が悪ければあっという間に悪いクチコミが地域に蔓延する
特に介護福祉のサービスはその特定に地域内で提供されることが多いため、注意が必要だ
どんなに素晴らしい設備、煌びやかな調度品を並べても職員のケアの質が悪ければ、「あの施設は金儲け主義」といわれてしまう
介護福祉のサービスの本質を見誤ってはいけない
065
つまらない製品を手っ取り早く抹殺するには、広告を打つに限る。
P・コトラー
これもイマイチわかりにくい・・・
簡単にいうと、マーケティングを悪用し、おとり販売、誇大広告なので短期間的に売り逃げしようとすると、結局はクチコミにその企業は駆逐される
広告を打てば、その悪質な商売に触れる機会が増え、その企業のイメージダウンする機会も比例して機会が増えるということ
JAROに相談しよう!となってしまう
繰り返しになるが、介護福祉業界も同じ現象が起きやすい
パンフレットやチラシに詠われたサービスが、その通りに実行がされなければ、悪質な施設とレッテルを貼られてしまう
また、介護福祉のサービスは公的な制度による保険事業が多いので、一般の方には専門用語などが多く、わかりにくいという一面もある
ある、医療関係者に言われてハッとしたのだが、福祉従事者は専門用語使いすぎ、家族にはわかりにくい、という指摘を受けた
契約書に重要事項説明書、施設の料金表や日課表、ケアプランと多くの書面を用いて説明するのだが、そこに多くの専門用語が並んでいたり、文章が長かったり、同じ内容が繰り返されていたりと、基本的な文章作成スキルが未熟な場合が多い
管理者や相談員、ケアマネ、主任といった職位にある人は、文章作成スキルと、判りやすく説明し、伝える能力も学ばなければならない
みなさんは国語のスキル、磨いていますか?
067
注意を喚起することと注目されることは別であり、行動を引き起こすことはさらに別だ。
P・コトラー
注意を喚起する
この文がさらにこの文章を判りにくくしてるのかな?
注意喚起というのはここでは企業が新商品の広告などを打ち、消費者へアピールするという意味で使われている
「新商品を見逃すな!」
ということだ
注意喚起に成功すると、消費者その商品に注目することになる
ただし、それは一時的な効果でしかない
本来企業は、多くの収益を上げる手段を持たねばならない
そしてその時代に合った手段を考え出さなければ、いつまでも同じ手段ではだめだと、コトラー博士は繰り返している
その企業に対して何らかの行動を起こすということは、その企業のファンになってクチコミを広めたり、実際に購入した上で愛用者=リピーターになったりする行動を言う
顧客というカテゴリーの中にも、愛用者、お試しなどその企業に抱く価値観は違う
その価値観を上げていくのはやはり、体験
実際にサービスを利用したり、商品を使ったり、カスタマーサービス、アフターサービスなどの体験を経て、その企業に対する自分にとっての価値観が決まってくる
介護福祉事業の場合、この一連の流れが制度化されている
ケアマネジメントの作成過程などがそれに当たる
ただケアプラン作って利用者紹介して、サービス提供しては、リピーターやファンは増えてこない
事業所にとってのリピーターやファンは、ケアマネであり、ご利用者であり、ご家族であり、地域住民の方々だ
自事業所のサービスカテゴリーの範囲外だからといって、相談受付などを蔑ろにしていると、実際サービス対象者になってもその事業所を使おうとは思わないだろう
そしてそのような価値ある体験を最初に提供するのが管理者や相談員、ケアマネ、介護主任などの中間管理職たちだ
なので、中間管理職への教育はとても重要である
介護福祉業界は中間管理者の育成に失敗しているといえる
例えどんなに素晴らしい経営者がいて、どんなに素晴らしい理念や事業計画を立てたとしても、それを実行できる人材がいなければ、絵に描いたもちにしかならない
最近は介護の研修でも、人材育成に重点が置かれているが、カスタマーサービスを担う育成という点では、まだまだ足りていない
僕も含め、多くの介護福祉業界にいるものは、中間管理職の育成に力を注がないと、人の集まらない事業所となってしまう
みなさん、人材育成のための人材育成を行っていますか?
まとめ
いかがだっただろうか?
広告やPR活動がマーケティング分野と思われがちだが、そうではない
企業のファンや顧客に対して価値ある体験を通し 、企業運営を行っていくことがマーケティングの本来の姿だ
そのために必要な事は、やはり人材育成
特に介護福祉業界は、人手不足が慢性化しているので中間管理職の育成が、人材獲得、流出防止につながるだろう
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