マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ
ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
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1分間コトラー
026
市場全体を攻撃することは避けよ。
P・コトラー
ケンカ売るな! ではないよ www
ここで云う「攻撃」とは「その業界に進出する」という意味
調査、分析することなく闇雲に事業を広げるな!
介護福祉業界だとどうか?
現在国は 共生介護 の推進や、保険外サービスを推奨し 保険外サービスガイドブック などを作成している
これまで介護保険サービスのノウハウしかない事業所が、何の下準備も無く、いきなり手を出すとまず失敗することは目に見えている
保険外サービスガイドブック に出てくる成功事例集の事業所はどうだ?
しっかり市場を調査し、分析し、新たな分野のノウハウを獲得し、慎重かつ大胆に打って出ている
専門分野外の事業の運営ノウハウを獲得するだけでも、本来はかなりのパワーがいるはずだ
確かに今後は、保険外サービスや共生介護を行わなければならないだろうが、その準備をしっかりしなくては、そのサービスを必要としている方々に失礼になる
みんさん、きちんと、着々と準備してますか?
027
失敗するのはイマジネーションに欠けるマーケター。
P・コトラー
イマジネーション=想像力
マーケティングの世界でイマジネーションが欠けるとは、現在の状況下で業績が上がらないことを不景気だからなどと責任転嫁している状態
今ある現状で、今の力で、何ができるのか?
発想の転換も、イマジネーションだ
介護福祉の世界にも多く当てはまる
現場スタッフ目線だと、ケア手法の工夫
人がいないから、道具がないからなどと愚痴ってばかりでは何もできない
「できない」が並ぶと「やらない」しか答えは出てこない
「2人いないと、トイレで用を足すケアができない」
「2人いれば、トイレで用を足すケアが出来る」
同じ重度者への排泄ケアの場面だが、前者と後者は何が違うのか?
同じケアの内容
2人でやるので、同じ結果がその場では出る
しかし、時間経つにつれ、月日が経つにつれ、その差は大きくなっていく
「2人いないと」の前者は、きっと「いないから」となり、「やらない」を選択する
「2人いれば」の後者は、きっと「ひとりなら」と考え出し、そのケアを受ける方と自分の能力を向上させ、いつしか「ひとりでもできる」を選択可能となる
これが介護職員におけるイマジネーションだ
028
市場はすべてローカル市場であり、地域を担当するマネージャーが一番よく知っている。
P・コトラー
ローカル=地方 という単純な言葉ではない
ローカルの反対はグローバル
ローカル市場は目に見えるもの
グローバル市場は目に見えないもの
僕は数年前、行政からの委託で65歳以上の高齢者の実態調査を行っていた
65歳以上の名簿と地図を片手に、地域を回って現在の生活状況や、介護の必要性などを調査していた
(これもマーケティングのひとつ)
住所を尋ねてもなかなかお会いできない方も多くいた
中には、ご近所の方から入院中であることや、介護サービスを利用していて日中は留守などの情報を得ることもあったが、それでもどうしても会えない方々がいる
そんな時は・・・
その地区のコミュニティーセンターへ行って、区長さんに会う
すると、驚くほどたくさんの方のことを知っておられ、いろいろとアドバイスを頂いた
ましく、区長さんは「地域を担当するマネージャー」
介護の現場では管理者や相談員より、現場の担当職員がそのご利用者のことを知っているのと同じだ
僕は施設ケアマネもやっていたので、プランを作成するに当たり、担当職員の観察力や情報量に大いに助けられたものだ
やはり、担当に聞くのが一番!
029
あらゆる買い手を永遠に惹きつける競争優位など、存在しない。
P・コトラー
一時的に圧倒的な勝者になることがある
しかしそれは、長くは続かない
驕る平家、久しからず である
20年前、誰がシャープや東芝が外資系企業の傘下になることを想像できただろうか?
介護福祉業界で考えてみよう
コムスン
かつてはグッドウィルグループのベンチャー企業で、日本最王手であった介護事業所だ
1988年に福岡で誕生した同社は創業当時は2名での立ち上げ
それが人材派遣会社のグッドウィルが買収し、2003年には六本木ヒルズに本社を構える
正に飛ぶ鳥を落とす勢いで、介護業界を席巻した
しかし、2007年に国から「退場処分」を受ける
介護報酬を不正に請求したとして事業取り消し処分となった
コムスン事件 である
結果、事業譲渡などを経て、2011年に完全消滅している
実質コムスンが圧倒的勝者であったのはわずか4~5年程度
介護福祉業界でも勝ち続けるのは大変なのだ
競合他社が真似できない優位性を持つと同時に、常に次への展開を求められる
介護福祉事業所の皆さん、常にイノベーションの必要性を感じていますか?
030
生き残るためには、自分自身さえ餌食にしなければならない。
P・コトラー
ものすごくサービス残業して、体壊してでも仕事しろ!
ってことではない www
要するに、適者生存だ
ダーウィンの進化論などで広まった概念なのだが、わかりやすくたとえた記事がある
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463546664
上記記事を超簡単にまとめると・・・
動物の世界は「弱肉強食」ではない
強いはずのトラは絶滅の危機に瀕している
でも弱いウサギは世界中で繁殖している
「強い者」が残るのではなく「適した者」が残る
こんな内容だ
この記事の中では、現在の人間社会にも言及しているので、時間のあるときにぜひ読んで欲しい
生き残るためには自社の本質をも変える必要がある
日本にはいくつか代表的な「適者生存」の企業がある
富士フィルムとJTだ
両者とも大きな業種転換で大成功を収めている
介護福祉業界で考えてみよう
「1分間コトラー」関連の記事に中で何度か書いたが、介護保険事業は3年に1度の制度改正で、大きく振り回されてしまう業界だ
国があんなに推奨していた小規模デイサービスは、そのはしごを外され、倒産の憂き目に会っている事業所も多い
今国が推奨している事業形態も、いつ大きな方向転換を強いられるかわからない
そんな時、常に準備を怠らず、情報を集め、市場を調査し、分析していれば、その大きな波を乗り越えられるだろう
変化できなければ、消え去るだけだ
時代の波に飲まれる前に、自らを餌食にし、舵を切ることができるか?
日本はこれから人口が衰退することは目に見えている
近い将来、必ず大きな波はやってくる
あなたの事業所はその波に飲まれることなく舵を切る準備は出来ていますか?
僕がマーケティングを勉強始めた理由でもある
まとめ
いかがだっただろうか
マーケティングは一般企業だけのものではない
介護福祉業界も、マーケティングは大切な行動だ
僕が書いた内容で、マーケティングが何なのかわかるわけではない
でも興味は湧いてきませんか?
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