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6、コトラーのマーケティングをケアマネが語ってみる~龍カルロスの煩悩~1分間コトラー 021~025

マーケティングというと小難しい気がする
そんな喰わず嫌いを打破するために、「1分間コトラー」を読んだ感想を介護事業に読み替えてみるシリーズ

ま、僕の煩悩と妄想には変わりないので、マーケティングの入り口として、気軽に読んで欲しい
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目次

1分間コトラー


021

短期的な利益を第一と考える企業は、長期的な利益を得ることが出来ない。

P・コトラー


ま、書かれてる内容はなんとなく理解できる
前回の020で、「顧客はハンターになった」を紹介したが、企業が同じ理屈で動くといけないということだ

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パートナーをどう選ぶか?
目先の利益を優先してパートナーを選ぶと、相手も同じように接近、離脱を繰り返す
特に力が成熟することも無く、関係性が成熟することも無く、安いだけが取柄のパートナーだと、その企業は衰退の一途だ

モノづくりは、一社のみで完結することは無い。
たくさんのパートナーとの良好で安定した関係が必要である。
と、解説されている

では介護福祉業界に置き換えてみよう
ここでは合えて事業所単位ではなく、職員の目線で考えてみたい

介護も一人で行えるものではなく、チームで行う
その時、チームのメンバーを選ぶのは、自分ではない
チームのメンバーを選んでいるのは事業所だ
ここは意外な落とし穴

チームが欲しいメンバーと、事業所が欲しいメンバーに齟齬があるとどうだろう
そのチームはかなり苦労する
チーム力を上げるためには、もちろんチームの戦力になれるよう人材育成も大切だ

人手不足だからといって、誰でも彼でもチームに放り込んでいると、たまったもんじゃない
稀ではあるが、ホントに介護の仕事が向いていない人も存在する

石も磨けばきれいに光る
でも、磨くと割れる石もある

事業所がしっかりチームの声に耳を傾け、チームもしっかり事業所側と話し合い、お互いWIN-WINでチームを編成することが出来れば、事業所にとってかけがえの無いチームへと成長していく

サッカーで例えてみよう
ある中堅クラスのチームに優秀な選手がいるとする
その選手は正にチームの中心であり、心技体揃った優秀な選手
もちろん強豪チームに狙われる
そして何百億というBIGマネーが動き、晴れて強豪チームの一員となる

しかし、蓋を開けてみると移籍金に見合う働きが出来ない
その選手はいつしか悶々としながらチームを去っていく

プロのサッカー選手でよくある話だ
その優秀な選手が活躍できない理由は簡単
運営側が、チームを見ていないからだ

意外に福祉介護業界ではこのような雇用が多く聞かれる
僕の事業所は同じことにならないよう、しっかり会議の場などで発言する機会を設けられている
もちろん僕もしっかりと現場の声を伝え、必要な人材確保に奔走している

皆さん、ちゃんと自分のトコのチームを見てますか?
人材確保が人材流出の引き金になっては本末転倒ですよ


022

求められているのは、顧客支援を通じて、「価値を創造する」ことのできる販売員である。

P・コトラー


販売にはいくつか流派があるらしい

  • YTS派・・・叫んで、語って、売る(yell tell sell)
  • S&P派・・・ばら撒いて、祈る(splay and pray)
  • LGD派・・・ランチ、ゴルフ、ディナー(lunch golf dinner)

www
どれも笑ってしまうが、まぁよく聞く話だ
もちろんこれらはダメな例だ

では「価値を創造する」ってどういうこと?

福祉介護で考えてみよう
介護サービスを利用する目的に多いのがリハビリ

歩行訓練、座位保持訓練(座っていられる能力)、関節可動域訓練(関節が固まらないようにする)などが上げられる
この中の歩行訓練で「価値を創造する

スタッフ

15メートル、杖だけで歩けるようになりましょう

おじー

なんで?

スタッフ

あ、歩けるようになると色々と行動が広がりますよ

おじー

歩いてどこに行くの?

スタッフ

えーっと・・・
あ、自分で自由にトイレに行けますよ!

おじー

職員さんが車いすで連れて行ってくれるから、歩けなくても大丈夫さぁ
ケアマネさんがトイレ行くときは転んだら大変だから、職員さんに頼みなさいって言ってたさぁ

スタッフ

ぁ、はぁ、そうですね・・・


こんな場面、出くわしません?
歩行訓練の目的が15㎡を杖だけで歩くこと
でもおじー的に歩く目的が無いから、歩ける必要性が無い
ケアマネさんだって、転んだら大変だから、何かあったら職員さんに声かけてね!なんて言ってるわけだし、どこにもリハビリを頑張る要素が無い
だからこのおじーにとって、リハビリは何も価値を生まないサービスとなっている

そんな時に、別の視点で歩行訓練の目的を提示してみる

スタッフ

おじーさんは、仕事している頃、よくどこでお昼ご飯とか食べてたんですか?

おじー

う~ん、○△食堂のソーキそば食べに行ってたな

スタッフ

そこのソーキそばおいしいんですか?

おじー

俺が食べに行くんだから美味しいに決まってるさぁ

スタッフ

じゃ今度行きましょうよ!
自分で歩いてお店にいけたら、すごいじゃないですか!

おじー

おー、そうだな!
よし、リハビリがんばって、今度一緒に行こう!
おじーが奢るさぁ~♪

まぁこんな簡単にいけば楽なのだが・・・
先ほどとは違って、目的が 歩いてそば屋に行くこと
しかも昔通いなれた店なら行きたいと思い易い
きちんとおじー視点の行動になっている

少なくとも、自由にトイレに行けるより、通いなれたお店に行くほうがが動く
まだまだカッコいい、男らしいところを見せたい

おじーの性格を知っていれば、こんな「価値」も見出せる
やることは同じ歩行訓練
こんな感じで読み替えていくと、マーケティングって人の心を見ている訳だ


023

成熟しきった市場などというものは存在しないし、コモディティなるものも存在しない。

P・コトラー


コモディティ?

コモディティとは一般化したため差別化が困難となった製品やサービスのことをいう。

コトバンク

らしい www
成熟したとか、コモディティ化したとか言うのは逃げ口上
イノベーションはいつ、どこでも起きるのである

介護福祉業界は成熟しているのか?
コモディティ化しているのか?

自分の事業所はどうだ?
わかった風な知識で、勝手に成長しないと考えていないか?
それは利用者にとっても同じだ
できない理由を立て並べて、させないことを選択していないか?
できることに着目しているか?

最近、うちの施設ケアマネと話した内容だが、ケアプランやアセスメントに「できない」が並ぶと、現場は「やらない」を選択しがち
もしかすると、「できない」を見慣れてしまっているからかもな
だから、ケアプランやアセスメントにはひとつでもいいから、「できる」を入れないとな

うん、自己反省・・・


024

より大きな市場の中に自社を位置付けよ。

P・コトラー


世の中どんな商売にも競合他社が存在する
中にはその業界でシェアが99%なんて企業も存在するだろう
しかし、あくまでそれは狭い世界の中だけの話かもしれない

例えば「ヒト」という生物は「ヒト科」に分類され、他にはチンパンジーやゴリラがいるが、「ヒト科、ヒト属」となると我々人類が独占している
しかし、地球の 全生物的に見ると、「ヒト」は わずか0.01%にしか過ぎない

そんなシェア率で、地球上の食物連鎖のトップに君臨している
ヒト」という種族が起こした地球上のイノベーションともいえる

介護福祉業界で考えるとどうなる?
競合他社は隣町のデイサービスか?
同じ市内の老人ホームか?

そんな狭い世界でしか見ていない事業経営者は多いと感じる
しかし、人手不足の昨今、職員を集めないと事業が回らない
だから、色々な事業所が集まる中に行くと、ウチの職員を取られるかもしれない、もしくは取って来い! なんて笑い話にもならない

福祉介護業界の競合他社は、飲食業界であり、製造業であり、一流商社でもある

もっと具体的に言えば、東京対地方という考えもある
向う三軒両隣でいがみ合ってもしゃーない

特に僕が住む沖縄の介護業界の最大ライバルは観光業界!
何せ沖縄観光ブームがすごくて、どんどん人がとられている
沖縄が潤うことは嬉しいことだが・・・

なぜ介護業界が他の職種に比べて人気がないのか?
そろそろ一致団結して考えないといけない


025

縮小している市場でシェアを伸ばしたのではないだろうか。

P・コトラー


縮小している市場
そこは先がない世界だといえる
シェア率NO.1なんてCMはよく目にする
そこは一体どこの世界なのか?

子どもの頃、「全米NO.1」によくビビッていた www
映画の広告だ
だけど、不思議なことがある
年に何本もの映画が「全米NO.1」になっている www

全米NO.1は、1週間で、1度でも1位になれば良いだけなのだ
なので同じ「全米NO.1」でも興行収入には大きな差がある
だから同じ「全米NO.1」でも当たりはずれがあるんだな

簡単に言うと、そのシェア率というのはどこを基準としているかで、ぜんぜん意味が違うということ
○○町○○地区でデイサービス集客率NO.1
それはあまりにも狭い世界
仮に○○町全体に介護保険費用に対してのシェア率は?
都道府県別で言えば?
もしかすると、○○町に大型施設ができて、小さな施設が営業やめてしまっただけかもしれない

福祉介護の業界は利潤追求型でもないので、案外「市場」ということに疎い
でもきちんと人口動態を追って、介護需要見込みを見つめないと、失敗する可能性も高い

中には人口が少ない地区に進出し、本当に介護を必要としている方へサービスを提供している事業所も存在する
これも大きな社会的意義だと思う

しかし、そんな中でもきちんと収益をあげ、存在し続けないことには、いつしか崇高な理念も倒産という名の下に儚く消え去るかもしれない

常に自分の提供しているサービスの世の中での立ち位置を確認していないといけない
利益を出すだけが介護ではないが、利益の出ない事業所に人は集まらない
そのことを意識しないといけないだろう

まとめ


いかがだっただろうか?
マーケティング数字というより、人の行動そのものを見ている
心理学的な要素も多い
読む人にとって、様々な解釈があるだろう
なぜならば、マーケティングの相手は福祉介護と同じなのだから

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この記事を書いた人

本名:玉城竜一
沖縄で介護福祉の仕事をしています
福祉介護について色々な情報発信を書いてます
僕の煩悩と妄想にお付き合いくださいwww

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